同船者とのおまつり、どうして起こる? おまつりが起こる3つの要因を解説

沖釣りTips

乗合船では同船者とのおまつりはよく見られる光景です。
お祭りをしてしまうとお互いの釣り時間が減ってしまったり、
PEラインが傷ついて切れやすくなってしまったり、避ける方法があれば避けたいですよね。

お祭りを避けて釣りをするためには、なぜお祭りが起こるのか要因を認識することが肝要です。

本記事はお祭りが起こる下記の3つの要因を解説していきます。

  • 要因① : おもりを海底に置いたから
  • 要因② : PEがラインの太さ or おもりの重さが同船者と違うから
  • 要因③ : 同船者とかけ離れた餌やルアーを使用したから

原因をしっかり認識することでしっかり対策をして、気持ちのいい釣りをしてきましょう。

お祭りが起こる原因

当然ですが、おまつりは同船者の仕掛けと自分の仕掛けが交わってクロスしたときに起こります。

船のサイズや乗船人数にもよりますが、隣の人とは1m以上離れていることが多いはずです。
仕掛けが釣り人の真下に落ちているのであれば、同船者とお祭りすることはあり得ません。
なぜ仕掛けがクロスするのでしょうか。

それは何らかの原因で仕掛けが自分の真下に落ちていないからに他なりません。
下記に仕掛けがまっすぐ落ちない(仕掛けが立たないともいいます)要因を解説します。

要因① おもりを海底に置いたから

通常沖釣りの場合、仕掛けをまず海底に落としてから釣りがスタートすることが多いです。
魚のタナを考える場合でも底から何mと考えます。

おもりが着底して、そのまま仕掛けを海底に置いておいたらどうなるでしょうか。

船は潮流に乗って流れているので止まっているように見えても常に動いています。
おもりが海底に着いた状態で置いておいた場合、
仕掛け(おもり)は海底に着いた位置のままとどまります。

船は動いているのに仕掛けが海底に着いた位置から動いていなければ、
徐々に角度が付き、斜めになっていきます。
この時、自分の潮後側(上流側)に同船者の仕掛けがあれば、
仕掛けはクロスするのでおまつりすることになります。

大事なポイントは必ず自分の潮後側の人とクロスするということです。
頻繁におまつりする人は自分が潮先か潮後か考えてみてください。

おまつりする原因はほとんど潮先の人の釣りの仕方に問題がありますから、
自分が潮先であるなら自分の釣り方や仕掛けに問題がないかチェックしてみてください。

要因② PEラインの太さ or おもりの重量が同船者と違う

仕掛けがクロスする原因はPEラインやおもりの重量にある場合があります。

遊漁船の予約をする際に、船長からおもりはxx号でお願いします、PEはxx号でお願いします、
など指定を受けた経験はないでしょうか。

船長がおもりやPEラインの号数を指定しているのは、おまつりを未然に防ぐためです。

PEラインの素材はポリエチレンであり、水に馴染まない疎水性のポリマーです。
さらにポリエチレンは水より比重が軽いので本来は水に浮く素材になります。

なので海中にあるPEラインには常に浮こうとする力が働いています。
その力はPEラインが太くなれば太くなるほど強くなります。

さらにPEラインが太い場合、糸の幅が広くなりますので、
水とぶつかって水を切る場合にその抵抗は大きくなります。

つまりPEラインが太くなると浮力と海流を切る抵抗が大きくなるので、
船が潮に乗って進む速度に対して、PEラインが水を切って進む速度が遅れてくることになります。

こうなるとおもりを海底に置いている場合と同様に、仕掛けがだんだんと斜めになっていき、
この場合も潮後(上流)の同船者とお祭りします。

またおもりの重さはPEラインが水を切って進むための推進力になります。

この推進力はおもりの重さに比例するので、同船者より軽いおもりを使った場合には、
PEラインが十分な推進力を得られず、仕掛けが船に後れを取ることになり、
仕掛けが斜めになって潮後の人とおまつりします。

PEの太さやおもりの重さは自分が乗ろうとする船のスタンダードを必ずセレクトしましょう。
わからなければ予約時に船長に確認して同船者とかけ離れたセッティングを使用しないようにしましょう。

要因③ 同船者とかけ離れたサイズの餌やルアーを使用する

仕掛けに付ける生エサやプラスチック製のルアーはPEラインと同様に浮力を持つので、
同船者の餌やルアーとあまりにも大きさが違うと仕掛けが潮を受けやすくなり、
潮後の人とおまつりすることになります。

深海釣りなど、あまりにもおもりが重い場合はこの限りではないですが、
軽めのウェイトを使用しがちなルアー釣り、あるいは潮の早い海域で釣りをする場合には、
特にこの点に注意すべきです。

近年とても流行しているタイラバではこのパターンでのおまつりがとても多いように思います。
私が実際に船上で見かけた例としては以下のようなものがありました。

タイラバの針に浮力の大きいエビ餌などをつけている人が、
通常のシリコンネクタイのみを付けた人とおまつりしていました。
タイラバは軽いウェイトを付けがちなルアー釣りの典型的なスタイルになりますので、
明石海峡や鳴門海峡といった潮流の早い海域では仕掛けの浮力の差があるとすぐにおまつりします。

自分の仕掛けを見てほかの人より浮力がありそうと判断した場合には、
おもりのウェイトを1ランクあげてみるとお祭りを避けることができます。
少し大きめのワームを使用したい場合など、ほかの人が60gのタイラバで釣りをしていれば、
80gにウェイトアップすればおまつりを未然に防ぐことができたりしますので、
ぜひ考慮してみてください。

ちなみに魚とファイトしている人とファイト中におまつりをした経験はないでしょうか。
魚は餌やルアーに比べて大きく、また浮力も大きいですから、
餌やルアーサイズが大きすぎる場合と同様におまつりします。

魚をかけている場合には魚種によってもおまつりの可能性はかなり高くなります。
タイや根魚は垂直方向(海底方向)にしか走りませんからおまつりのリスクは少ないですが、
サバや青物、サワラといった魚は水平方向(同船者の仕掛けの方向)に走ったり、
大きく円を描いて上がってくるので同船者とのおまつりが頻繁に起こります。

隣で同船者が大きな青物などとファイトしている場合にはおとなしく仕掛けを上げておいたほうが賢明かもしれません。特に自分の潮先の人がかけた場合には真っ先に自分が犠牲になる可能性が高いです。

まとめ

今回の記事では同船者とのおまつりが起こる要因について解説しました。

二枚潮がきついときなどおまつりが避けがたい状況はあるものの、
多くの場合、おまつりは要因さえ理解しておけば簡単に対策できます。

今回解説した要因の多くは事前の準備によって解決することができます。

着底したら素早く底を切る、自分が釣りをする海域でのスタンダードをしっかり把握する。
こういった簡単なポイントを抑えてお祭りのない快適な船釣りを楽しみましょう。

最後におまつりをしてしまった場合の対処法を紹介します。

おまつりをしたらしっかり挨拶をして声を掛け合って、
無理をせずに息を合わして仕掛けを回収しましょう。

それからおまつりの絡まりを解くまで、糸は張らず緩めずをキープしましょう。
時よりPEラインを完全に緩めてしまう人が見られますが、余計に絡んだり、
船べりでは船のシャフトにPEラインが飲まれる場合があります。

仕掛けが先に上がってきた方の人が責任をもって絡みをほどき、
もう一方の人は張らず緩めず(張りすぎると解けないので注意)を維持します。
解いてもらったらお礼を忘れずに言いましょう。

絡まりを解くのが苦手な人、老眼で手元が見えない人w、はあえて仕掛けの回収を遅らせるのも手です。おまつり相手に解いてもらって、スムーズなおまつり解消に協力するのも手ですよ。


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